蓄音機がオーディオの原点

真のオーディオとは何か?

昔からオーディオマニアの間で議論され続けていることがあります。

それは、「原音再生」とは何か?という議論です。これは、細かい部分まで突き詰めて行くと、原音という言葉の定義まで詳細に決定してから議論する必要が生じるため、あくまでわたしの主観としてのお話しをさせていただきます。原音というのは、ある演奏体が発している音のそのまま、ということになります。

そもそも「原音」という言葉が生まれたのはエジソン以来の録音技術が生み出されてからになります。ライブ(生)で演奏された音楽を記録して、何らかの媒体に封じ込めて自在に取り出すことに成功した人類は、それ以来、音楽がライブで演奏されたそのままを再現することに情熱を注いできました。

しかし、ここに大きなジレンマがありました。ライブで演奏された音楽と言っても、その定義すら正確にすることが難しいのです。厳密に言えば、ある音が発された時に、二人の人間がその場にいても、まったく同じ音を二人が聞くことは不可能であるのです。

二人が立っている位置は完全に一つではありませんので、音が耳に到達するまでの距離や、耳に入ってくるさまざまな反響音も違います。そもそもまったく同じ個体の人間は存在しないので、耳の形状も鼓膜も、微妙な違いがあり、聞いている音は完全に同じではありえないのです。

しかしながら、わたしたちはオーディオから届いてくるサウンドを、よりリアルでライブに近いものにする努力を絶え間なく行なって来ました。

そしてその成果により、わたしたちはオーディオから聞こえてくる深みのある音の波を楽しむことが出来るのです。